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123 | ひふみ
百歩洪二首/蘇軾
其一
長洪斗落生跳波 輕舟南下如投梭
水師絶叫鳧雁起 亂石一綫争磋磨
有如兔走鹰隼落 駿馬下注千丈坡
断弦離柱箭脱手 飛電過隙珠翻荷
四山眩轉風掠耳 但見流沫生千渦
嶮中得樂雖一快 何意水伯夸秋河
我生乗化日夜逝 坐覺一念逾新羅
粉々争奪酔夢裏 豈信荊棘埋銅駝
覺来俯仰失千劫 回視此水殊委蛇
君看岸邊蒼石上 古来篙眼如蜂窠
但慶此心無所住 造物雖駛如吾何
回船上馬各歸去 多言譊々師所呵
其二
佳人未肯回秋波 幼輿欲語防飛梭
輕舟弄水買一笑 醉中盪槳肩相磨
不學長安閭里侠 貂裘夜走臙脂坡
独將詩句擬鲍謝 涉江共採秋江荷
不知詩中道何語 但學兩頰生微渦
我時羽服黄樓上 坐見織女初斜河
歸来笛聲满山谷 明月正照金叵羅
奈何舎我入塵土 櫌櫌毛羣欺卧駝
不念空齋老病叟 退食誰与同委蛇
時来洪上看遺跡 忍見屐齒青苔窠
詩成不覺雙涙下 悲吟相對惟羊何
欲遣佳人寄錦字 夜寒手冷無人呵
1.
彼は友達と一緒に船に乗って、百步洪という川を旅する。
急流や、脇の山々、水珠を眺め。兎、馬が詩中に現れる事でスピード感が表現される。客観的な景色を描いてから、自分の考えを入れて、感情吐き出す。
詩の後半では、彼は人生は流れる水のごとく早くあっという間に過ぎていく。人として、思想や人間の名利に対す哀れな態度について批判も曖昧にしながらも述べる。
2.
一緒に船乗りの友達は歌姫を連れている、詩人は友達と彼女の関係をからかう。
友達は歌姫に話しかけたくているが同時に、彼女に無視されるかなと心配してる。複雑な心理で詩人は詩をうたう。彼女にはえくぼがみえる。
月が出てきて、帰りに山から笛の音がする
詩人はある悲しい昔がおもいおこされる。
誰かの死去かなにか。彼はこの世に見放された気持ちをいだく。
詩をかなで、思わず涙する「あなたはいなくなって、今私の詩は目の前の友にだけ歌うしかない」。
最後も典故を使う。昔ある女の夫は流刑にして、彼女は思念を込めて、素晴らしい「錦字」を作って送る話。でも詩人の場合はもう思いをあの人に届けられない。だから、最後に「夜寒手冷无人呵」を歌う:深夜は寒くて、「錦字」を作る女の手を暖かくしてくてる人はいないという事から、孤独、力弱い感じの言葉が詩にのせられ人生の無常が表現されている。
※「錦字」布に文字を織り込めたもの
日本語翻訳:余海伦
この展示会を作る中で、大物を制作する必要を感じ「長編の詩」を探していました。
その中でもこの詩を見たときにふと今回の書展に使うべき感情が降りました。その直感は後から思うとまさにこの展示会に使うべくして会えたという事を感じる事となりました。それも書き進める中でこの詩の意味は後から翻訳し知ることとなり、まさに衣、友、旅、詩や歌そこからの心と書家の心情。
漢字には象形だけで意味が本来あり他の言語(例えばアルファベットやラテンの文字は音のみ)とは違い象形だけですでに心をもっている。それが証明されたのか偶然に降ってきたかはわかりませんが、これも心を書が映すという点の私の中では一つの証明となる作品に思えます。この事は最後に記す必要がある、そう感じここにお伝えいたします。
23かく.
17th.June.2017 - 風人雷人